稼働率(オキュパンシー) とは、オペレーターのログイン時間のうち、後処理を含めて通話対応に費やされた時間の割合です。持続可能な上限はおよそ83%とされており(Call Centre Helper)、それを超えると、稼いだ効率の分は離職というかたちで支払うことになります。
コンタクトセンターの指標のなかで、数値が良くなることが良いこととは限らない唯一の指標です。
計算方法
稼働率 = 対応に費やした時間 ÷ ログイン時間。
8時間ログインしていたオペレーターが、通話と後処理に6時間20分を費やした場合、稼働率は79%です。残りの1時間40分は待機時間、つまり次の呼を待っている時間です。
分母に含まれないものに注目してください。休憩、研修、ミーティングはシュリンケージであり、待機時間ではありません。チームミーティング中のオペレーターは「ログイン中で手が空いている」のではなく、そもそもログインしていないのです。この2つを混同すると、現場が溺れかけているのに余裕があるように見える稼働率が出てきます。
100%が「異常事態」である理由
手の空いたオペレーターは無駄だ、というのが直感です。しかし計算はそうは言いません。
呼はランダムに着信します。新しい呼が入った瞬間に全員が通話中であれば、その顧客は待ち行列に並びます。しかも着信は偏って集中するため、待ち行列は稼働が満杯になるはるか手前で発生します。待機時間は無駄ではなく、ランダム性を吸収する緩衝材です。これを削っても処理量は増えず、処理量が待ち時間に姿を変えるだけです。
およそ83%を超えると、3つのことが起こります。オペレーターは通話間の回復時間を失うため、対応時間が延び、品質が落ちます。サービスレベルは不安定になり、わずかな呼量の変動が待ち行列を大きく揺さぶります。そして離職が増えます。これが最も高くつきます。オペレーターを1人補充するコストは、削った待機時間の価値をはるかに上回るからです。
稼働率とサービスレベルは互いに引っ張り合う
両方を最大化することはできません。稼働率を上げれば手の空いたオペレーターが減り、待ち時間が延びます。アーランC(Erlang C)モデルはこの関係を明示します。サービスレベル目標を決めれば稼働率が決まり、要員数を決めればその両方が決まります。
小規模な待ち行列が苦しむのはこのためです。5人の待ち行列では、高い稼働率を保ちながら20秒以内に80%という目標を同時に満たすことはできません。プール効果が足りないのです。50人の待ち行列ならそれができます。稼働率が低いのに、サービスレベルを壊さずには上げられないという場合、答えはたいてい待ち行列を統合することであって、要員を削ることではありません。
正直に読む
稼働率は一定のインターバルで測定されるため、その区切り方が重要です。1日平均78%という数字の中身が、午前は95%、午後は60%ということもあります。異なる2つの問題が平均されて、健全そうな見た目になっているだけです。
インターバルごとに、サービスレベルと並べて確認してください。高い稼働率が続いていてサービスレベルも良好なら、綱渡りの状態であり増員すべきです。稼働率が高くサービスレベルが悪ければ、すでに人手が足りていません。稼働率が低くサービスレベルも悪い場合、問題は要員数ではありません。ルーティングか、予測か、対応時間のいずれかです。
稼働率計算ツールを使えば、ログイン時間と対応時間からインターバル単位で算出できます。
よくある質問
適正な稼働率はどのくらいですか? おおむね75〜85%で、実務上の上限は約83%です(Call Centre Helper)。これを超える水準が続く場合は、短期的な効率と引き換えに離職を招いています。
稼働率と実働率(ユーティライゼーション)は同じものですか? 違います。稼働率は対応時間をログイン時間に対して測ります。実働率は通常、給与支払い対象の総時間に対して測るため、休憩や研修を含み、数値は低く出ます。
全員忙しいのに稼働率が低いのはなぜですか? たいていは休憩やミーティングがログイン時間として計上されているためです。稼働率は、オペレーターが呼を受けられる状態にあった時間だけを数えるべきです。
稼働率が低すぎることもありますか? あります。70%程度を慢性的に下回る場合は、呼量に対する過剰要員か、効果的にプールするには待ち行列が小さすぎることを意味するのが普通です。




