スパム対策
御社の通話をスパムフィルターから守ります。
発信通話が相手の着信表示に「SPAM LIKELY(迷惑電話の可能性)」と表示されると、応答率は5%未満まで落ち込みます。このページでは、その原因、プラットフォーム側で行っている対策、そしてお客様側で必要な対応を説明します。
このページで最も重要な点。 実際のキャンペーンを開始する前に、必ず米国・カナダの発信番号を発信者ID認証に登録してください。登録がないと、米国のキャリアは通話を迷惑電話として分類します。Finnの品質やリストの精度は関係ありません。設定は5分、承認には1〜3週間かかります。今すぐ始めてください。
迷惑電話判定の仕組み
米国の電話網を通る通話に対して、キャリアは複数のシグナルを評価し、番号をそのまま表示するか、「Spam Likely」「Scam Likely」と表示するか、完全にブロックするかを判断します。
キャリアが見るシグナル:
- 発信者IDが認証されているか?(STIR/SHAKEN — 後述)
- 番号が実在する事業者に登録されているか?(CNAM登録 — これも後述)
- この番号は直近でどれだけ発信しているか?(新しい番号からの大量発信は不審と見なされます)
- この番号の応答率は?(応答率が低い → キャリアは迷惑電話と推定 → ブロックがより厳しくなる)
- この番号が迷惑電話として報告されたことはあるか?(スマートフォンのワンタップ「迷惑報告」ボタン)
- 発信者IDが実際の発信元キャリアと一致しているか?(偽装された発信者IDはフラグが立ちます)
シグナル#1は、登録が完了していればプラットフォームが自動で処理します。#2はお客様の対応が必要です。#3〜#6はキャンペーンの運用方法次第です。
STIR/SHAKEN — キャリアレベルの暗号署名
STIR/SHAKENは、発信側キャリアがすべての発信通話に暗号学的な認証(アテステーション)を付与する、業界で義務付けられた仕組みです。着信側キャリアが署名を検証し、発信者IDを信頼するかどうかを判断します。
認証レベルは3段階あります:
- Aレベル(完全) — 発信者IDが実際に使用されている番号であることが検証され、発信者がキャリアの既知の顧客である状態。最も良い表示結果になります。
- Bレベル(部分) — 発信元は判明しているが、発信者IDを完全には検証できない状態。
- Cレベル(ゲートウェイ) — キャリアの検証済みネットワーク外から発信された通話。内容にかかわらず迷惑電話と表示されることが多くなります。
プラットフォーム側の対応: Finnで発行された番号からの通話は、すべてデフォルトでAレベル認証されます。対応は不要です。
注意点: SIPトランク経由の持ち込み番号(BYO)を使う場合、認証はFinnではなくお客様のキャリアに依存します。SIPプロバイダーが発信通話のAレベルSTIR/SHAKENに対応しているか確認してください。
CNAM登録 — 事業者名の表示
CNAM(発信者名)は、番号と並んで着信側の電話に表示されるテキストラベルです。登録がないと、汎用的な情報(「Unknown Caller」「Wireless Caller」、または市外局番のみ)が表示されます。登録すると事業者名が表示されます。
受信者は、「Unknown Caller (415)」と表示された通話よりも、「Acme Dental」と表示された通話にはるかに応答しやすくなります。
登録方法
- 設定 → 電話番号 → [対象の番号] → 発信者ID登録。
- 提出内容:
- 正式な事業者名
- EIN(米国の納税者番号)または相当するもの
- 事業所の住所
- 登録する電話番号
- 想定される月間通話数
- 用途の説明(正直に書いてください。「当社サイトのフォームに入力したリードへのB2B営業フォローアップ通話」は良い例です。曖昧な説明は却下されます)
- 送信します。承認には1〜3週間かかります。
待機期間中も通話は認証されますが(STIR/SHAKENは即座に機能します)、発信者IDのラベルには汎用的な情報が表示される場合があります。
登録後に起こること
- キャリアが発信者IDに事業者名を表示します。
- 応答率は未登録時と比べて通常30〜50%向上します。
- 「迷惑電話の可能性」というラベルが表示されることはまれになります(ただし皆無ではありません。以下を参照)。
A2P 10DLC — 大量SMS送信向け
プラットフォーム経由でSMSを送信する場合(通話後のフォローアップSMSなど)、発信者ID登録に加えてA2P 10DLC登録が必要です。
設定 → 電話番号 → [番号] → A2P 10DLC登録。
A2P登録がない場合:
- キャリアがSMSのスループットを制限します(1秒あたり数通しか送信できないこともあります)。
- メッセージが迷惑メールとしてフィルタされます。
- 番号が恒久的にブラックリスト登録される可能性があります。
A2P登録には1〜2週間かかり、ブランド認証が必要です(CNAMと同様ですが、SMS向けです)。
番号プール — 負荷を分散する
すべて登録済みであっても、単一のDIDから5,000件に発信すれば不審に見えます。発信量を多数の番号に分散してください。
プールの設定方法:
- 設定 → 電話番号 → プール → プールを作成。
- 10件以上の番号を追加します(目安: ピーク時に想定される同時通話50件あたり1番号)。
- プール内の各番号は、ターゲットとする対象者と同じ市外局番にしてください(「地元」からの着信のほうが応答されやすくなります)。
- 単一の発信元番号ではなく、プールを並列デプロイメントに割り当てます。
ディスパッチャーがプール内の番号をラウンドロビンで使って発信するため、特定の番号が迷惑電話の発信元のように見えることはありません。
応答率そのものがシグナルになる
番号の応答率が約15%を下回ると、他がすべて登録済みでもキャリアはその番号を迷惑電話の発信元として扱い始めます。この低下は自己増幅的です — 迷惑電話としてのラベル付け → 応答の減少 → さらなるラベル付け。
悪循環を避けるには:
- キャンペーンのペースを調整する。 1つの番号から1時間に10,000件を一気に発信せず、1日に分散するかプールを使用してください。
- 現地時間帯に発信する。 太平洋時間の市外局番から太平洋時間の正午に発信すれば応答されます。太平洋時間の番号から東部時間の午前6時に発信しても無視されます。
- 留守番電話メッセージは意味のある内容にする。 留守番電話にメッセージを残すなら、質の高いものを残してください。相手がその番号を迷惑電話として報告する可能性が下がります。
- オプトアウトを厳格に守る。 配信停止を求めた相手にその後も発信して迷惑電話として報告されると、プール全体に悪影響が及びます。
州別・国別の考慮事項
フロリダ州 — ミニTCPA
フロリダ州は2021年に州レベルの厳格なTCPA(「Florida Telephone Solicitation Act」)を成立させました。違反した通話1件につき500ドルの罰則が科されます。具体的な要件は次のとおりです:
- フロリダ州の居住者への自動セールスコールには、書面による明示的な同意が必要です。
- 東部時間の午前8時より前、午後8時より後の発信は禁止です。
- 発信者は通話の冒頭で明確に身元を名乗る必要があります。
実務上のアドバイス: 確実な同意の記録がない限り、アウトバウンドのマーケティングリストからフロリダ州の番号を除外してください。
その他の規制が厳しい州
ワシントン州、マサチューセッツ州、メリーランド州、オクラホマ州には、TCPAを超える独自の消費者保護法があります。これらの州の居住者にマーケティング目的で発信する場合は、弁護士に同意取得の運用を確認してもらってください。
インド — DLT登録
インドの電話番号に発信するには、インドのDLT(Distributed Ledger Technology)プラットフォームへの登録が必要です。登録がない場合、通話はキャリアレベルでブロックされます。
設定 → 電話番号 → インドDLT登録。プラットフォームがブランド登録、コンテンツテンプレートの承認、ユースケースのカテゴリ申請まで案内します。
承認は米国より早く、通常3〜5営業日です。
欧州 — ePrivacy + GDPR
EU諸国の多くは、マーケティング目的の電話に明示的なオプトイン同意を求めます。同意なしでEUの消費者にコールドコールを行うことは、発信元の国を問わず、ほぼ確実に違法です。
EU域内のB2Bでは要件は緩やかですが、それでも厳格化が進んでいます。発信先の国の個別ルールを確認してください。
「登録したのに発信がスパム判定される — どうすればいい?」
登録済みでもスパム判定率が高い場合は、以下を順に確認してください。
1. 応答率の推移を確認する
設定 → 電話番号 → [番号] → パフォーマンス。応答率が15%を下回り、低下傾向にある場合、その番号は評価を損なっている可能性があります。対処法:
- 様子を見る — 数週間使用を止めることで評価が回復する場合があります。
- 番号を解放して新しい番号を取得する — 最も効果的ですが、ブランドの一貫性は失われます。
2. リスト品質を監査する
無作為に100件の通話を抽出して聞いてみてください。相手が着信理由を理解できていないようなら、スパム報告につながります。
3. 冒頭メッセージを引き締める
スパムらしい切り出し — 一般的で曖昧、発信理由が不明確 — は切電や報告を招きます。良い切り出しは具体的です:
❌ 「もしもし、[会社名]よりお電話しております。少しお時間よろしいでしょうか?」 ✅ 「もしもし、CloudWidgetsのJordanと申します。先週木曜のウェビナーにご参加いただいた件で、少しお話しできますか?」
4. 相手ごとの発信頻度を下げる
同じ相手に週3回発信すれば、確実にスパム報告されます。最大リトライ回数は1〜2回、リトライ間隔は24時間以上に設定してください。
5. スパムデータベースへ異議申立てを行う
一部のキャリア(Verizon、T-Mobile)は、First Orion、TNS、Nomorobo などのサードパーティサービス経由で異議申立てを受け付けています。本プラットフォームから申請できます:
設定 → 電話番号 → [番号] → スパム判定の異議申立てを送信。
異議申立ては個別に審査され、処理に数週間かかることがあります。
Finn が裏側で行っていること
プラットフォームが自動的に処理する項目:
- Finn 番号からの全発信に対する STIR/SHAKEN 認証。
- キャリアレベルのルーティング最適化 — 最も確実に着信する経路を選択します。
- 番号ごとのレート制限 — 1つの番号から誤って毎分1,000件を一斉発信することを防ぎます。
- Do-Not-Call リストのスクラビング — 各キャンペーンの前に、全リストを米国および州の DNC 登録簿と照合します。
- 抑制リストの適用 — アカウント単位の抑制リストに登録した相手を除外します。
- 留守番電話の検出 — 留守番電話を正しく識別し、「メッセージを残す」動作を一貫させます。
自分で行う必要がある項目:
- 発信に使う全番号で発信者番号と CNAM を登録する。
- マーケティング対象を追加する前に、適法な同意を取得する。
- 発信時間帯とリトライポリシーを調整する。
- リストを健全に保つ(配信停止者の削除、社内 DNC との照合)。
- 特定の番号が誤って判定された場合は異議申立てを行う。
スパム対策クイックチェックリスト
アウトバウンドキャンペーンを開始する前に:
- 発信番号の発信者ID + CNAM を登録済み(米国/カナダ)。
- SMS を使う場合は A2P 10DLC を登録済み。
- インドの番号に発信する場合は India DLT を登録済み。
- EU の番号に発信する場合は EU の適法根拠を文書化済み。
- 発信時間帯を受信者の現地時間で午前9時〜午後6時に設定済み(管轄区域によってはより厳格に)。
- 最大リトライ回数を1〜2回、リトライ間隔を24時間以上に設定済み。
- リストを社内の除外リストと照合してクリーニング済み。
- ウェルカムメッセージに発信の具体的な理由を記載済み。
-
opt_outの通話後フィールドを定義済み。 - 自動除外を有効化済み(設定 → コンプライアンス)。
- 想定される1日あたりの発信量が500件を超える場合はナンバープールを使用。
次のステップ
- 電話番号 → — プロビジョニングとプール設定。
- コンプライアンス → — 規制の全体像を平易な言葉で解説。
- トラブルシューティング → アウトバウンド通話が失敗する — 通話が発信されない場合。
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